東急ウェリナケア尾山台の、飾り棚と椅子を配した共用部のコーナー

高級老人ホームとは費用の相場と、何に払っているのか

「高級老人ホーム」に法律上の定義はありません。一般には、入居時の前払金が数千万円、月額が30万円を超えるような有料老人ホームを指して使われる言葉で、厚生労働省の資料でも、介護付き有料老人ホームの約3分の1は月額30万円以上です。高いホームを選ぶときに大事なのは、その金額が人員体制・立地・居室・食事などの何に使われているのかを確かめることです。

「高級老人ホーム」に決まった定義はない

窓が大きく明るい、東急ウェリナケア尾山台のスカイリビング
スカイリビング(尾山台)

「高級老人ホーム」は、法律や制度の言葉ではありません。老人福祉法や介護保険法にあるのは「有料老人ホーム」「特定施設」といった区分だけで、「高級」かどうかを決める基準はありません。広告や紹介サイトでは、入居時の前払金が数千万円、月額が30万円を超えるような有料老人ホームを指して使われることが多い言葉です。

ですから、「高級」という言葉そのものより、その金額で何が手に入るのかを見ることが大切です。同じくらいの金額でも、人員体制が手厚いホーム、立地に費用がかかっているホーム、共用部やサービスが充実したホームなど、お金の使われ方はさまざまです。

費用の相場:入居時と毎月

まず、全体の相場を見ておきます。厚生労働省の資料によると、介護付き有料老人ホーム(特定施設)の月額費用の平均は261,510円で、いちばん多い価格帯は「30万円以上」(34.4%)でした。月額30万円を超えるホームは、介護付きの中では珍しくありません。

一方、入居時の前払金は、半数を超えるホームが受け取っていません。前払金を1,000万円以上とする介護付き(特定施設)は8.7%です。前払金が数千万円になるホームは、全体から見ると一部に限られます。

介護付き有料老人ホーム(特定施設)調査の結果
月額費用の平均261,510円
月額でいちばん多い価格帯30万円以上(34.4%)
前払金を受け取っていないホーム52.9%
前払金が500万〜1,000万円未満7.6%
前払金が1,000万円以上8.7%

※ 月額費用は、介護・医療サービスの自己負担分を除いた総額(家賃+共益費+基本サービス費+食費・光熱水費)です。前払金の割合には無回答(16.1%)を含みます。
出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」第1回(2025年4月14日)資料3「有料老人ホームの現状と課題・論点について」52ページ・104ページ(令和6年度老人保健健康増進等事業の調査)

高いホームを考えるときは、月額に介護保険の自己負担と、おむつ代や医療費などの個人的な費用が加わることも忘れないでください。前払金の読み方は有料老人ホームの前払金で詳しくご説明しています。

高いホームは、何にお金を払っているのか

費用の差は、主に次の6つから生まれます。パンフレットの言葉ではなく、数字や実物で確かめられるものを並べました。

  1. 1

    人員体制

    「2:1」など、基準より手厚い体制の人件費(上乗せ介護費用)

  2. 2

    立地

    駅からの距離や周辺の環境は、家賃(家賃相当額)に表れる

  3. 3

    居室と共用部

    20㎡を超える居室、ラウンジや庭、浴室の種類

  4. 4

    食事

    厨房での調理、献立の選択、行事の食事、食事形態への対応

  5. 5

    医療・看護

    看護師のいる時間帯、連携医療機関、往診の有無

  6. 6

    暮らしのサービス

    フロントの応対、送迎、アクティビティ、美容室、ご家族の部屋

1. 人員体制

介護付き有料老人ホームの基準は、要介護の方3人に対して看護・介護職員1人以上(常勤換算)です。「2.5:1」「2:1」のように基準より手厚い体制をとるホームは、その人件費を「上乗せ介護費用」などの名目で月額に含めています。2:1なら、基準の1.5倍の職員がいる計算です。

入居者10人あたりの看護・介護職員数の目安(常勤換算)
  • 国の基準(3:1)約3.3人
  • 2.5:1約4.0人
  • 2:1約5.0人

「入居者の数 ÷ 比率」で計算した目安です。常勤換算・24時間を通じた平均で、夜間はこれより少ない人数で見守るのがふつうです。夜勤の人数は、時間帯を分けて聞いてください。

確かめたいのは、数字が常勤換算であること、夜勤の人数、看護師がいる時間帯です。

2. 立地

駅からの距離や周辺の環境は、家賃(家賃相当額)にそのまま表れます。地価の高い地域のホームは、同じ広さでも家賃が高くなります。ご家族が通いやすいかどうかも、立地の価値の一部です。

3. 居室と共用部

国の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」では、居室は個室で、1人あたり13㎡以上とされています。20㎡を超える居室や、居室内のトイレ・洗面台、広いラウンジや庭、身体の状態に合わせて選べる浴室(個浴・リフト浴・機械浴など)は、建物の費用として月額に反映されます。

4. 食事

ホームの厨房で調理しているか、献立を選べるか、行事の食事がどのくらいあるか、噛む力や飲み込む力に合わせた食事に対応しているか。食費は月額の中でも比べやすい項目です。試食させてもらうと、違いがはっきりします。

5. 医療・看護

看護師が24時間いるのか、夜間は電話で相談できる体制(オンコール)なのか。連携している医療機関の診療科と、往診の有無。医療的なケアが必要になったときに住み続けられるかどうかは、費用以上に大事な点です。医療ケアが必要な方の老人ホーム選びもあわせてご覧ください。

6. 暮らしのサービス

フロントでの応対、送迎、アクティビティ、美容室、ご家族が過ごせる部屋など。月額に含まれているのか、使った分だけ別料金なのかを確かめます。

「高級」で後悔しないために確かめたいこと

費用の大きいホームほど、入居してからの見直しが難しくなります。契約の前に、次の点を確かめておくと安心です。

  • 最後まで払い続けられるか。前払金に「月額×12か月×想定する年数」を足し、介護保険の自己負担と個人的な費用も加えて、資金の計画と照らし合わせる
  • 前払金の償却と返還金。想定居住期間、初期償却の割合、途中で退去したときに戻る金額
  • 介護が重くなったとき。同じ部屋に住み続けられるのか、介護用の居室への移動や住み替えが必要になるのか。住宅型や自立の方向けのホームでは条件があることも
  • 月額が上がる可能性。これまでの料金改定と、改定のときの手続き
  • 運営会社。運営の年数、ほかのホームの様子、重要事項説明書に書かれた入居率や職員の人数
  • 実際の暮らし。見学や体験入居で、食事・入浴・日中の過ごし方を見る

見学で確かめたいことは老人ホームの選び方・探し方に、印刷できるチェックリストとしてまとめています。

東急ウェリナケアの場合

東急ウェリナケアは、東急ウェルネスが運営する介護付有料老人ホームで、大田区・目黒区・世田谷区に3つのホームがあります。上の6つの点のうち、数字で示せるものを一覧にしました。

旗の台自由が丘尾山台
前払金(Aプラン・85〜88歳でご入居の場合)2,448万円3,110.4万円2,088.0万円
月額利用料(管理費・上乗せ介護費用・食費)332,250円360,200円319,500円
介護・看護職員の体制1.75:1以上2:1以上2:1以上
居室の広さ20.40㎡・20.48㎡20.1㎡20.10㎡・22.27㎡
総室数70室51室45室

※ 前払金はご入居時のご年齢で変わります。月払い(Cプラン)を選ぶと前払金はかからず、敷金(家賃相当額の6か月分)と家賃相当額の月払いになります。月額利用料のほかに、介護保険の自己負担がかかります。料金は2025年10月1日時点(旗の台)と2025年11月1日時点(自由が丘・尾山台)のものです。
※ 体制の「1.75:1以上」「2:1以上」は、要支援・要介護の方1.75人または2人に対して、介護・看護職員が常勤換算で1人以上いることを示します。

3ホームとも、看護師と介護スタッフが24時間常駐しています。食事は管理栄養士と調理師が献立を組み、月1〜2回は季節や催事にあわせたイベント食をお出ししています。料金の詳細は東急ウェリナケアの費用と各ホームの料金ページで、3つのホームの違いは3ホームの比較でご覧いただけます。総額の試算は費用シミュレーションでできます。

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