
サ高住と有料老人ホームの違い費用・介護・住み替えで比べる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、安否確認と生活相談のサービスがついた高齢者向けの賃貸住宅で、介護が必要になったら外部の事業所と契約して受けます。有料老人ホームは、食事や介護などのサービスを受けながら暮らす住まいで、介護付きならホームの職員が介護を行います。月額はサ高住のほうが低めですが、介護が必要になるほど外部サービスの費用が増えるため、いまの状態とこれからの見通しで選ぶことが大切です。
サ高住とは:安否確認と生活相談がついた賃貸住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」にもとづいて、都道府県などに登録された高齢者向けの住宅です。入居できるのは60歳以上の方、または要介護・要支援の認定を受けた方です。登録には、主に次の基準があります。
- 広さと設備:居室は原則25㎡以上(共用の居間・食堂・台所などが十分にあれば18㎡以上)。台所・トイレ・収納・洗面・浴室を備え、バリアフリーであること(台所・収納・浴室は、共用部に適切なものがあれば各戸になくてもよい)
- サービス:少なくとも、安否確認(状況把握。毎日1回以上)と生活相談を提供すること。介護・医療の事業所の職員や、看護師・介護福祉士などの資格をもつ人が、原則として夜間を除いて敷地内や近くに常駐し、いない時間帯は各戸の通報装置で対応する
つまりサ高住は、見守りと相談がついた賃貸住宅です。介護が必要になったら、外部の訪問介護やデイサービスと契約して介護を受けます。全国に8,312棟(2026年8月末時点。東京都は422棟)が登録されていて、約1割は、介護付き有料老人ホームと同じ「特定施設入居者生活介護」の指定を受けています。
また、食事の提供や介護などのサービスを行っているサ高住は、老人福祉法の「有料老人ホーム」にもあたります。国の資料では、サ高住の約96%が有料老人ホームにもあたると推定されています。サ高住と有料老人ホームは、はっきり分かれたものではなく、重なりあっているのです。
出典:高齢者住まい法と同法施行規則、サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(登録状況)、厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」第1回(2025年4月14日)資料3「有料老人ホームの現状と課題・論点について」4・5ページ
有料老人ホームとは:サービスを受けながら暮らす住まい
有料老人ホームは、老人福祉法にもとづく住まいで、食事の提供、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスがついています。開設には都道府県などへの届出が必要です。
大きく分けると、ホームの職員が介護を行う介護付き有料老人ホーム(介護保険の特定施設の指定を受けたもの)と、介護は外部の事業所と契約して受ける住宅型有料老人ホームがあります。住宅型の暮らし方は、介護の受け方の点ではサ高住に近いといえます。介護付きのしくみは介護付き有料老人ホームとはでご説明しています。
サ高住と有料老人ホームの違い(一覧)
| サービス付き高齢者向け住宅 | 住宅型有料老人ホーム | 介護付き有料老人ホーム | |
|---|---|---|---|
| よりどころの法律 | 高齢者住まい法(登録) | 老人福祉法(届出) | 老人福祉法(届出)と介護保険法(指定) |
| 住まいの性格 | 見守りと相談がついた賃貸住宅 | サービスがついた住まい | 介護サービスがついた住まい |
| 介護を行うのは | 外部の事業所と個別に契約 | 外部の事業所と個別に契約 | ホームの職員 |
| 介護保険の自己負担 | 使った分(上限を超えた分は全額自己負担) | 使った分(同左) | 要介護度ごとの定額 |
| 職員 | 安否確認・生活相談の担当者が、原則として夜間を除いて常駐 | 提供するサービスに応じた体制 | 要介護の方3人に看護・介護職員1人以上。夜間も1人以上 |
| 居室 | 原則25㎡以上(条件により18㎡以上) | 個室で1人13㎡以上(標準指導指針) | 原則個室 |
| 月額費用の平均 | 153,952円 | 118,020円 | 261,510円 |
| 前払金を受け取っている割合 | 3.4% | 7.0% | 31.0% |
※ 月額費用の平均は、介護・医療サービスの自己負担を除いた額(家賃+共益費+基本サービス費+食費・光熱水費)。サ高住と住宅型は、ここに介護保険の自己負担(使った分)が加わります。サ高住の数字は特定施設の指定を受けていないもの。出典:同資料4・52・104ページ
費用の違い:月額だけでは比べられない
一覧のとおり、月額費用の平均はサ高住が153,952円、介護付き有料老人ホームが261,510円です。サ高住の月額でいちばん多い価格帯は12万〜14万円未満(24.3%)でした。
ただし、この平均には介護保険の自己負担が入っていません。サ高住や住宅型では、訪問介護やデイサービスを使うたびに自己負担がかかり、要介護度ごとの上限(区分支給限度基準額)を超えた分は全額が自己負担になります。介護付きの自己負担は要介護度ごとの定額です。介護が少ないうちはサ高住が割安でも、介護が重くなるほど差は縮まり、逆転することもあります。
入居時の費用は、サ高住では敷金(家賃の数か月分)が中心で、前払金を受け取っているところは3.4%にとどまります。介護付きでは31.0%が前払金を受け取っていますが、前払金のない月払いのプランを選べるホームが多数です。どちらも、家賃の支払い方を「全額月払い」から選べるところが約8割です(同資料52ページ)。
費用を比べるときは、今の要介護度と、数年後に想定される要介護度の両方で、月々の総額を出してみてください。前払金の読み方は有料老人ホームの前払金でご説明しています。
介護が必要になったら:住み続けられるか
サ高住は住宅なので、介護の体制は住宅ごとに大きく違います。職員の常駐が求められているのは原則として夜間を除く時間で、夜間は通報装置で対応するところもあります。
契約の面では、入院や心身の状況の変化を理由に、事業者が一方的に契約を解除することはできないと、登録の基準で定められています。ただし、夜間に何度も介助が必要になったとき、認知症が進んだとき、医療的なケアが必要になったときに、その住宅の体制で暮らし続けられるかどうかは別の問題で、住み替えを考える方もいます。
住み続けられない場合は、介護付き有料老人ホームや特養などへの住み替えを考えることになります。その場合、敷金は精算されますが、新しい住まいの入居費用と、引っ越しの負担がかかります。
入居の前に、次の点を確かめておくと安心です。
- 夜間に職員はいるか。いない場合、呼び出したら誰が来るか
- 併設や近くの介護事業所はどこか。事業所やケアマネジャーを自分で選べるか
- どんな状態になったら退去や住み替えの相談になるか
- 要介護度が上がったとき、介護保険の自己負担と上限を超えた分は月いくらになりそうか
契約の違い:賃貸借と利用権
サ高住は賃貸住宅なので、多くは建物賃貸借契約です(業界団体の集計で91.6%。2025年8月末時点)。住まいの契約と、見守り・生活相談などのサービスの契約が分かれていて、介護サービスはさらに別に、外部の事業所と契約します。登録の基準で、書面で契約すること、敷金・家賃・サービス費とその前払金のほかに権利金などを受け取らないこと、前払金を受け取る場合は保全の措置をとることなども定められています。
有料老人ホームでは「利用権方式」の契約が一般的です。居室や共用部を使う権利と、食事や介護などのサービスが一体になった契約で、契約の条件によっては、介護が必要になったときに居室を移ることがある点も、賃貸借とは異なります。どちらの契約でも、退去の条件や費用の精算方法は重要事項説明書と契約書に書かれていますので、入居前に確かめてください。
サ高住
住まい・サービス・介護の契約が、それぞれ分かれている
住宅型有料老人ホーム
住まいとサービスは一体。介護は外部と契約
介護付き有料老人ホーム
住まいと介護が一体の契約
どちらが向いているか
| サ高住が向いている方 | 介護付き有料老人ホームが向いている方 |
|---|---|
| 自立に近く、自分のペースで暮らしたい | 介護が必要、またはこれから重くなることが見込まれる |
| 今ある介護サービスやケアマネジャーを使い続けたい | 夜間も職員の見守りがある環境がよい |
| 月々の費用をできるだけ抑えたい | 介護が重くなっても費用の見通しを立てたい |
| 住み替えの可能性も受け入れられる | できるだけ住み替えずに暮らし続けたい |
特養やグループホームを含めた種類ごとの違いは、東急ウェルネスの老人ホーム紹介サービス「住まいる」の老人ホーム・高齢者向け住宅の種類でまとめています。
東急ウェリナケアの場合
東急ウェリナケアの3つのホームは、いずれも介護付有料老人ホームで、居住の権利形態は利用権方式です。介護はホームの看護師と介護スタッフが24時間体制で行い、介護保険の自己負担は要介護度ごとの定額です(要介護3・1割負担で月26,964円〜27,111円。2025年10月・11月時点)。
居室はすべて個室で、広さは20.1㎡〜22.27㎡です。要支援・要介護の方に加えて、自立の方も入居できます(満70歳以上。自由が丘は原則として満70歳以上)。費用の全体は東急ウェリナケアの費用で、3つのホームの違いは3ホームの比較でご覧いただけます。

居室(自由が丘) 
各階のリビング・ダイニングの一例


