ソファに並んで座り、タブレットを見て笑う2人の高齢の女性

住宅型
有料老人ホームとは介護付きとの違い・費用のしくみ・
問題点と、向いている人

住宅型有料老人ホームは、食事や生活の支援がついた高齢者の住まいです。介護が必要になったら、入居者が選んだ外部の訪問介護やデイサービスを使いながら、居室で暮らし続けます。介護をホームの職員が行う「介護付き」とは、介護の受け方と費用のしくみが違います。一方で国は、一部の住宅型で、併設の事業所の利用を条件にするなどの問題(いわゆる「囲い込み」)があるとして、2026年6月に法律を改正しました。介護付き有料老人ホームを運営する私たちが書く記事なので、問題点は国や東京都の資料に書かれていることだけを取り上げ、住宅型が向いている人もあわせてご説明します。

1|住宅型有料老人ホームとは:生活を支える住まい

有料老人ホームは、老人福祉法にもとづく高齢者の住まいで、入浴・排せつ・食事の介護、食事の提供、洗濯・掃除などの家事、健康管理のいずれかのサービスがついています。開設するときは、都道府県などに届け出ます。

国の指針は、有料老人ホームを次の類型に分けています。住宅型は、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていないホームで、介護が必要になったら、入居者自身の選択で地域の訪問介護などを使いながら暮らし続けます。

類型介護が必要に
なったら
介護付き
(一般型)
ホームの職員が介護を行い、居室で暮らし続ける
介護付き
(外部サービス
利用型)
ホームの職員が計画と安否確認を行い、介護はホームが委託した事業所が行う
住宅型入居者が選んだ外部の訪問介護などを使いながら、居室で暮らし続ける
健康型契約を解除して退去する

※ 指定を受けていないホームは、広告やパンフレットで「介護付き」「ケア付き」などと表示できません。

数と、入居している方

全国の有料老人ホームは、住宅型が12,061棟、介護付きが4,464棟で、住宅型のほうが多くあります(2023年6月30日時点。サービス付き高齢者向け住宅を除く)。ただ東京都内は、都の一覧を見ると介護付きのほうが多くなっています。

住宅型というと、元気な方の住まいを思い浮かべるかもしれません。実際には、住宅型の入居者のうち要介護3以上の方は約56%で、介護付きの約42%より多くなっています(2024年)。国も、住宅型は中重度の方や医療的なケアが必要な方が増え、働きが介護付きに近づいてきたと整理しています。

2|介護は、外部のサービスを入居者が選んで使う

高齢の女性の手を取って話す、訪問介護のスタッフ
※写真はイメージです

住宅型で介護を受けるときは、自宅で暮らしているときと同じ形になります。まずケアマネジャー(居宅介護支援事業所)と契約してケアプランを作ってもらい、そのプランに沿って、訪問介護、デイサービス、訪問看護などの事業所と、それぞれ契約します。いまのところ、ケアプランを作ってもらう費用の自己負担はありません。

介護の受け方の違い

住宅型有料老人ホーム

  • ケアマネジャーを選んで契約し、ケアプランを作ってもらう
  • 訪問介護やデイサービスなどの事業所と、それぞれ契約する
  • 介護保険の自己負担は、使った分だけ(月の上限あり)
  • ホームの外の事業所も含めて、サービスを選べる

介護付き有料老人ホーム

  • ホームの計画作成担当者(ケアマネジャー)が計画を作る
  • ホームの職員が介護を行う
  • 介護保険の自己負担は、要介護度ごとの1日の定額
  • 介護保険の訪問介護などは、原則として一緒に使わない

介護付きのしくみは介護付き有料老人ホームとはで、介護保険の中身は特定施設入居者生活介護とはでご説明しています。

使える量には、月の上限がある

介護保険の居宅サービスには、要介護度ごとに1か月に使える上限(区分支給限度基準額)があります。上限の中なら自己負担は1割(所得によって2割・3割)で、上限を超えた分は全額が自己負担になります。

要介護度月の上限
(単位)
1割負担
の目安
要支援15,0325,032円
要支援210,53110,531円
要介護116,76516,765円
要介護219,70519,705円
要介護327,04827,048円
要介護430,93830,938円
要介護536,21736,217円

※ 1単位を10円として計算した額です。東京23区では1単位あたりの金額が10円より高くなるので、実際の自己負担はこれより少し高くなります。出典:介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」

住宅型の約8割には、同じ建物か隣に介護や医療の事業所があります(2024年の調査)。近くでサービスを受けられるのは便利な点です。ただ、どの事業所を使うかを選ぶのは入居者で、国の指針は、ホームが自分たちや関係する事業所のサービスに限定したり誘導したりせず、入居者が希望するサービスの利用を妨げないよう求めています。

3|費用のしくみ:月額に、介護の自己負担が加わる

介護保険について説明する資料と、ペン
※写真はイメージです

国の調査(2024年)によると、介護・医療の自己負担を除いた月額費用の平均は、住宅型が118,020円、介護付きが261,510円です。いちばん多い価格帯は、住宅型が「10万円未満」、介護付きが「30万円以上」でした。入居時の前払金を受け取っているホームは、住宅型が7.0%、介護付きが31.0%で、どちらも約8割は全額月払いを選べます。

ただし、住宅型の月額には、外部の介護サービスの自己負担が入っていません。重要事項説明書の月額の欄にも、介護保険サービスの費用は書かない決まりです。住宅型の費用は、月額+使った介護サービスの自己負担で考えます。前払金のあるホームでは、償却と返還のしくみも確かめます(有料老人ホームの前払金とは)。

介護の自己負担の比べ方

介護保険の自己負担を、要介護度ごとに並べると次のようになります。介護付きは要介護度ごとの定額、住宅型は使う量で変わるので、上限まで使った場合の額を並べました。

要介護度介護付き
(定額)
住宅型
(上限)
要介護116,260円16,765円
要介護320,370円27,048円
要介護524,390円36,217円

※ 1割負担・1単位10円として計算した目安です。介護付きは30日分の基本の部分だけで、加算と、手厚い体制のための上乗せ介護費用などは含みません。住宅型は1か月の上限まで使った場合の額で、使う量が少なければ下がり、上限を超えた分は全額が自己負担になります。

介護が少ないうちは住宅型のほうが費用を抑えやすく、介護が重くなるほど差は縮まり、逆転することもあります。比べるときは、要介護度ごとに「月の総額の例」をホームに出してもらうと、違いがはっきりします。要介護度ごとに入れる施設の違いは、要介護度別に入れる施設と費用にまとめています。

4|国が指摘している問題点と、2026年6月の法改正

国や東京都は、「一部の住宅型」について、いくつかの課題を挙げています。多くの住宅型は、こうした問題とは関係なく運営されています。ここでは、公的な資料に書かれていることだけを紹介します。

「囲い込み」とは

併設や関連する事業所の利用に限定したり誘導したりして、入居者がサービスを選べなくなり、必要以上の介護サービスが提供されることを、国は「いわゆる囲い込み」と呼んでいます。2024年度の調査では、介護保険を使うときに併設などのケアマネジャーを使うことを入居の条件にしている住宅型が11.7%、併設などの介護事業所を使うことを条件にしている住宅型が27.2%ありました。裏返すと、ケアマネジャーについては約9割のホームが条件にしていません。

夜間の職員

介護付きには、夜間も職員を1人以上置く法令の基準があります。住宅型には法令の基準がなく、国の指針で、入居者の実態に合わせて夜間の介護や緊急時に対応できる数の職員を置くよう求めています。調査では、夜間の職員の平均は住宅型が1.7人、介護付きが2.7人で、夜間の職員が0人の住宅型も3.5%ありました(2023年度の調査)。

届け出をしていないホーム

サービスの実態があれば、届け出をしていなくても有料老人ホームとして扱われます。2025年6月30日時点で、届け出のない有料老人ホームは全国に568件(3.1%)ありました。東京都内のホームは、都の「東京都内有料老人ホーム一覧」で確かめられます。

法改正で決まったこと

こうした課題を受けて、2026年6月19日に「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立し、6月25日に公布されました。有料老人ホームについて、主に次のことが決まっています。

  • 登録制:中重度の要介護の方など、特に保護が必要な方を受け入れるホームは、都道府県などへの登録制になります(有効期間5年の更新制)。国は、いまある有料老人ホームの大半が対象になると見込んでいます
  • 囲い込みへの対策:登録の対象になる住宅型では、特定の介護事業所の利用を入居の条件にすることが禁止され、ケアマネジメントの独立性を確保する方針を作って公表することになります
  • ケアプランの自己負担:登録の対象になる住宅型の入居者のケアプラン作成(新しい相談支援)は、介護付きとの釣り合いから、原則1割負担になります。始まる時期は政令で決まり、まだ決まっていません
  • 介護付きにも:登録の対象になる住宅型と介護付きに、運営・人員の基準と、入居者を守る決まりが入ります。契約の前に書面で重要事項を説明することの義務化や、誇大広告の禁止もあります
  • 始まる時期:原則として2027年4月1日。登録制は、公布から2年以内に政令で決める日からで、いまあるホームには経過措置があります

まだ検討中のこと

細かい中身は、国の検討会で話し合われ、政令・省令は年内に公布される予定です(2026年10月時点)。検討会のまとめ(10月9日)では、登録の対象に、認知症の方や医療的なケアが必要な方を受け入れるホームも加えること、夜間や緊急時は「職員の配置か、いわゆるオンコール」で対応できる体制とすること、併設の事業所の利用を契約の条件にすることなどを「不当な条件」として禁止することが示されています。2027年度の介護報酬の改定でも、住まいに対するサービスの評価のあり方が検討されています。

5|介護が重くなったとき、医療が必要になったとき

介護が重くなったときに住み続けられるかどうかは、ホームごとの契約で決まります。国の指針は、ホームから契約を解除できるのは信頼関係を著しく損なう場合などに限ることを求め、要介護の状態を理由に住み替えや契約の解除を定める場合は、医師の意見を聴くこと、本人や身元引受人などの同意を得ること、一定の観察期間を置くことといった手続きを、契約書に書くよう求めています。

入院したときについては、東京都の指針が、退院できるようになったら速やかに戻れるよう努めることを求めています。何か月まで居室を確保してもらえるか、その間の費用はどうなるかは、ホームによって違います。

「住宅型は、介護が重くなったら退去」とは限りません。退去の理由でいちばん多いのは、住宅型でも死亡で55%(介護付きは59%、2024年)と、最期まで暮らす方が増えています。重要事項説明書の「前年度における退去者の状況」を見ると、そのホームの実績がわかります。

医療が必要になったときは、医師の訪問診療(医療保険)や、訪問看護(要介護の方は多くが介護保険)を使います。医療処置が必要な入居者の割合は、住宅型が12.4%、介護付きが12.0%で、ほぼ同じです(2024年)。たんの吸引や看取りなど、医療ケアが必要な方の選び方は、医療ケアが必要な方の老人ホーム選びにまとめています。

6|住宅型が向いている人と、見学で確かめたいこと

タブレットを手に、高齢の女性と家族に説明するスタッフ
※写真はイメージです
住宅型が
向いている方
介護付きが
向いている方
自立に近く、介護サービスをあまり使わない介護が重い、またはこれから重くなることが見込まれる
いまのケアマネジャーやヘルパー、デイサービスを続けたい夜間の介助が多い。夜間も職員がいる環境がよい
サービスを自分で選んで組み合わせたい介護の費用を毎月の定額で見通したい
月々の費用をできるだけ抑えたいケアマネジャーや事業所の手配をホームに任せたい

住宅型を見学するときは、次の点を確かめておくと安心です。

  • 併設の事業所。同じ建物や隣にある介護事業所はどこか。ほかの事業所も使えるか。
  • 入居の条件。併設のケアマネジャーや事業所を使うことが条件になっていないか。いまのケアマネジャーを続けられるか。
  • 料金の決め方。併設の事業所を使うかどうかで、家賃や管理費が変わらないか。
  • 夜間の職員。夜勤や宿直は何人か。職員がいない時間帯はあるか。呼んだら誰が来るか。
  • 介護が重くなったとき。住み替えや退去になる条件と手続き。前年度に退去した方の行き先。
  • 入院したとき。居室をいつまで確保してもらえるか。退院したら戻れるか。
  • 月の総額の例。要介護度ごとに、月額と介護保険の自己負担を合わせた実際の例。
  • 届け出。都の一覧に載っているか。法改正の登録制が始まったら、登録する予定か。

見学全般で確かめたいことは、老人ホームの選び方・探し方のチェックリストも使えます。サービス付き高齢者向け住宅も、住宅型と同じく外部の介護サービスを使います。違いはサ高住と有料老人ホームの違いでご説明しています。

東急ウェリナケアの場合

東急ウェリナケアの旗の台・自由が丘・尾山台は、3ホームとも介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)で、住宅型ではありません。自立の方も入居できる混合型で、介護はホームの看護師と介護スタッフが24時間体制で行います。夜間も、介護スタッフ2人以上(自由が丘は3人以上)と看護職員1人以上がいます。

介護保険の自己負担は要介護度ごとの定額で、要介護3・1割負担の場合は月約2.7万円です。このほかに、国の基準より手厚い体制(1.75:1以上または2:1以上)のための上乗せ介護費用を、月額利用料に含めていただいています(旗の台118,250円、自由が丘107,000円、尾山台96,000円)。

いまのケアマネジャーやサービスを続けたい方や、介護をあまり使わない方には、住宅型やサービス付き高齢者向け住宅が合うこともあります。どちらがよいか迷うときも、ご入居のご相談のときにお気軽にお尋ねください。費用の全体は東急ウェリナケアの費用で、3つのホームの違いは3ホームの比較でご覧いただけます。

ご相談は、お電話(旗の台 0120-068-109・自由が丘 0120-335-109・尾山台 0120-626-109。いずれも受付10:00〜17:30・無休)か、資料請求・見学予約のフォーム(旗の台・自由が丘・尾山台)から承ります。

よくあるご質問

Q住宅型有料老人ホームとは、どんなところですか。

A食事や生活の支援がついた高齢者の住まいで、介護が必要になったら、入居者が選んだ外部の訪問介護やデイサービスを使いながら暮らし続けます。介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていないので、「介護付き」とは表示できません。

Q住宅型と介護付きの、いちばん大きな違いは何ですか。

A介護を誰が行うかです。介護付きはホームの職員が介護を行い、介護保険の自己負担は要介護度ごとの1日の定額です。住宅型は外部の事業所とそれぞれ契約し、使った分だけ払います(月の上限は区分支給限度基準額)。

Q住宅型でも、介護は受けられますか。

A受けられます。ケアマネジャーが作るケアプランに沿って、訪問介護やデイサービスなどを使います。2024年の調査では、住宅型の入居者の約56%が要介護3以上の方です。

Qケアマネジャーや介護事業所は、自分で選べますか。

A国の指針は、ホームが特定の事業者に限定したり誘導したりせず、入居者が希望するサービスの利用を妨げないよう求めています。ただ、併設のケアマネジャーや事業所を使うことを入居の条件にしているホームもあるので(2024年度の調査で11.7%と27.2%)、契約の前に確かめておくと安心です。

Q費用はどのくらいかかりますか。

A介護・医療の自己負担を除いた月額費用の平均は、住宅型が118,020円、介護付きが261,510円です(2024年の調査)。住宅型では、ここに使った介護サービスの自己負担が加わります。

Q介護が重くなると、費用はどうなりますか。

A使うサービスが増えるほど自己負担が増え、月の上限(たとえば要介護3で27,048単位)を超えた分は全額が自己負担になります。介護が重くなるほど、介護付きとの差は縮まり、逆転することもあります。

Q夜間に職員はいますか。

A住宅型には夜間の職員についての法令の基準がなく、国の指針で、夜間の介護や緊急時に対応できる数の職員を置くよう求めています。調査では、夜間の職員の平均は住宅型が1.7人、介護付きが2.7人で、0人の住宅型も3.5%ありました。見学のときに、夜勤や宿直の人数を聞いておきます。

Q介護が重くなったら、退去しないといけませんか。

A退去の条件は、ホームごとの契約で決まります。国の指針は、医師の意見を聴く、本人などの同意を得る、観察期間を置くといった手続きを求めています。住宅型でも、退去の理由でいちばん多いのは死亡(55%)で、最期まで暮らす方が増えています。

Q「囲い込み」とは何ですか。

A併設や関連する事業所の利用に限定したり誘導したりして、必要以上の介護サービスを提供することで、国や東京都が「一部の住宅型」の課題として挙げています。入居の条件、ケアマネジャーの所属、併設の事業所を使うかどうかで料金が変わらないかを確かめると、見分けやすくなります。

Q2026年の法改正で、何が変わりますか。

A中重度の方などを受け入れるホームは都道府県などへの登録制になり、特定の介護事業所の利用を入居の条件にすることの禁止などが決まりました。登録の対象になる住宅型の入居者のケアプラン作成は原則1割負担になりますが、始まる時期は政令で決まり、まだ決まっていません。原則の施行は2027年4月1日です。

出典と確認日

この記事の内容は、2026年10月21日に、次の資料で確認しました。

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