
老人ホームのリハビリ(機能訓練)転倒・骨折を防ぐために、入居前に確かめたいこと
「老人ホームに入っても、リハビリは続けられるのか」「歩く力が落ちないか」。入居を考えるご家族から、よく聞かれる心配です。老人ホームでのリハビリは、多くの場合「機能訓練」と呼ばれ、病院のリハビリとは目的や進め方が違います。誰が、どのように行うのか、病院との違い、転倒・骨折を防ぐ暮らしの工夫、入居前に確かめたいことを順に整理し、東急ウェリナケア3ホームの機能訓練の体制を、重要事項説明書(2026年9月1日現在)にもとづいてご紹介します。
1|老人ホームのリハビリは「機能訓練」として行われる

介護保険のサービスでは、日常生活を送るための力を保ち、伸ばすための訓練を「機能訓練」と呼びます。立つ、歩く、座る、食べる、着替える、トイレに行くといった、暮らしの動作を続けられるようにすることが目的です。
機能訓練を担当するのは「機能訓練指導員」です。機能訓練指導員になれるのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(看護師・准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師と、一定の実務経験(理学療法士などがいる事業所で6か月以上)があるはり師・きゅう師です。介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)は、機能訓練指導員を1人以上置くことが、国の基準で決められています(ほかの仕事との兼務もできます)。
つまり、同じ「機能訓練指導員」でも、どの資格を持つ人が、何人、どのくらいの時間いるかは、ホームによって違います。理学療法士は主に立つ・歩くなどの基本の動作、作業療法士は食事・着替え・家事などの生活の動作、言語聴覚士は話すことや飲み込むことの訓練を専門にしています。ホームの体制は、重要事項説明書の職員の欄(機能訓練指導員の人数と資格)で確かめられます。
2|病院のリハビリとの違い
病院のリハビリ(たとえば骨折や脳卒中のあとの回復期のリハビリ)は、限られた期間に、集中的に機能の回復を目指します。老人ホームの機能訓練は、毎日の暮らしの中で、いまの力を保ち、できることを続けることが中心です。
| 病院のリハビリ | 老人ホームの機能訓練 | |
|---|---|---|
| 目的 | 病気やけがのあとの、機能の回復 | 暮らしの動作を保ち、できることを続ける |
| 期間 | 入院中など、限られた期間 | 入居しているあいだ、続けて |
| 場面 | 訓練室での訓練が中心 | 訓練室での個別の訓練に加えて、体操やレクリエーション、毎日の生活の動作そのもの |
退院してすぐの入居では、病院でのリハビリの内容や、医師・リハビリの専門職からの注意点を、ホームに伝えておくと、訓練の計画に生かしてもらえます。退院時に渡される書類(看護サマリーなど)は、見学や入居の相談のときに見せられるよう用意しておくとよいでしょう。

機能訓練のようす(旗の台のケアのページより) 
毎日行う嚥下体操(尾山台のサービスのページより)
3|個別の機能訓練と、毎日の体操

老人ホームの機能訓練には、大きく2つの形があります。
- 個別の機能訓練:一人ひとりの体の状態や目標に合わせて、計画を立てて行う訓練です。介護付き有料老人ホームでは、専従・常勤の理学療法士などを1人以上置き、機能訓練指導員・看護職員・介護職員・生活相談員などが共同で「個別機能訓練計画」を作って訓練を行うと、介護保険の「個別機能訓練加算(Ⅰ)」(1日12単位)を算定できます。計画は、訓練を始めるときと、その後3か月ごとに1回以上、ご本人に説明することになっています。計画の内容などを国のデータベース(LIFE)に提出して活用すると、「(Ⅱ)」(1か月20単位)も算定できます。
- みんなで行う体操やレクリエーション:体操、嚥下(飲み込み)の体操、歌、散歩など。体を動かす機会を毎日の暮らしに組み込みます。
このほか、着替えや移動、食事などを、職員がすべて手伝うのではなく、できるところはご本人に行ってもらう関わり方も、暮らしの中の訓練になります。
4|転倒・骨折を防ぐために

国の調査(2025年 国民生活基礎調査)では、介護が必要になった主な原因は、多い順に認知症(16.7%)、高齢による衰弱(15.6%)、骨折・転倒(14.6%)でした。要介護の方に限ると、骨折・転倒は認知症(23.6%)に次いで2番目(14.8%)です。転んでけがをしないことは、入居後の暮らしを守るうえでも大切です。
国などの資料では、転びやすくなる原因として、歩く力・バランス・筋力の低下、脳神経や感覚の働きの衰え、心臓や血管の病気、薬の副作用と、段差、すべりやすい床、つまずきやすい敷物や履物、暗い照明が挙げられています。防ぐためにできることは、主に次の4つです。

- 運動:筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動を、週3日以上(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版)。
- 住まいの環境:段差やすべりやすい床、敷物、電気のコード、暗い照明に気をつけ、手すりやすべり止め、足元の明かりを使う(消費者庁)。
- 薬の見直し:飲んでいる薬が多い(1日に6種類以上)と、転倒が起きやすいとされています。気になるときは、主治医や薬剤師に相談します(国立長寿医療研究センター)。
- 骨の健康:転びやすくなっている方は、骨粗しょう症がないかを調べることがすすめられています(国立長寿医療研究センター)。
老人ホームでは、手すりのある廊下や段差の少ない床、夜間の見守りなど、転びにくい環境が整えられています。それでも、転倒をゼロにすることはできません。入居前に、転倒を防ぐためにホームが何をしているかと、転んだときにどう対応し、家族にどう知らせるかを聞いておくと安心です。
5|入居前に確かめたい7つのこと
見学や入居の相談のときに、次の7つを確かめてください。重要事項説明書で分かることと、聞いて確かめることがあります。
- 機能訓練指導員の人数と資格。理学療法士・作業療法士などの資格、常勤か、常勤換算で何人分か(重要事項説明書の職員の欄)。
- 個別の機能訓練の加算を算定しているか。重要事項説明書の「加算」の欄で分かります。
- 個別の訓練の頻度と内容。週に何回、1回どのくらい、どこで、どんな訓練をするか。
- 計画と見直し。訓練の計画を誰が作り、どのくらいの間隔で見直し、家族にどう説明するか。
- 追加料金。訓練の回数を増やしたいとき、別の料金がかかるか。
- 設備。機能訓練室の広さと器具、歩く練習ができる場所。
- 転倒の予防と、転んだときの対応。夜間の見守り、家族への連絡のしかた。
見学全体の確認項目は老人ホームの選び方・探し方、医療的なケアの確かめ方は医療ケアが必要な方の老人ホーム選びにまとめています。
東急ウェリナケアの3ホームの機能訓練
3ホームとも、機能訓練指導員が、ご入居者の日常生活の動作の維持・向上を目指して機能訓練を行います(各ホームのケアのページ)。体制は次のとおりです。
| 旗の台 | 自由が丘 | 尾山台 | |
|---|---|---|---|
| 機能訓練指導員 | 1人(常勤1人、常勤換算1.0) | 3人(常勤2人・非常勤1人、常勤換算2.2) | 1人(常勤1人、常勤換算1.0) |
| 機能訓練指導員の資格 | 作業療法士 1人(常勤) | 理学療法士 2人(常勤) 言語聴覚士 1人(非常勤) | 作業療法士 1人(常勤) |
| 個別機能訓練加算 | (Ⅰ)を算定 | (Ⅰ)を算定 | (Ⅰ)を算定 |
| 機能訓練室 | あり(2階の吹き抜けに面した部屋) | あり | あり |
| 機能訓練の追加料金 | 追加料金がかからないサービスとして、必要に応じて対応(自立の方、要支援・要介護の方とも) | ||
※ 重要事項説明書(基準日 2026年9月1日)の職員体制・機能訓練指導員の資格・介護保険の加算の欄と、別添の「介護サービス等の一覧表」の記載です。常勤換算は、職員の勤務時間を、常勤の職員の人数に置きかえた数です。

旗の台|2階の吹き抜けに面した機能訓練室 
自由が丘|平行棒や施術ベッドを備えた機能訓練室 
尾山台|平行棒と鏡を備えた機能訓練室
毎日の暮らしの中で
- 各ホームのケアのページにある1日の流れの一例では、11:00がリハビリの時間です。旗の台は、10:00に体操も行っています。
- 旗の台は、機能訓練室や回廊を活用して機能訓練を行っています。
- 尾山台は、認知症の予防や身体機能の維持のため、レク体操・嚥下体操を毎日行っています。
- 夜間も職員が巡回し、排泄のお手伝いをしています(各ホームのケアのページ)。
訓練の内容や回数は、お一人おひとりの状態とケアプランによって違います。退院後のご入居や、続けたい訓練があるときは、見学やご相談のときにお知らせください。お電話(旗の台 0120-068-109・自由が丘 0120-335-109・尾山台 0120-626-109。いずれも受付10:00〜17:30・無休)か、資料請求・見学予約のフォーム(旗の台・自由が丘・尾山台)から承ります。介護と看護の体制は、各ホームのケアのページ(旗の台・自由が丘・尾山台)でもご覧いただけます。
出典と確認日
この記事の内容は、2026年10月7日に、次の資料で確認しました。体制や運用は変わることがあります。ご検討の際は、各ホームに最新の内容をご確認ください。
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」Ⅳ 介護の状況(2026年7月15日公表)
- 機能訓練指導員:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条、社会保障審議会 介護給付費分科会 第158回 参考資料1(2018年1月26日、はり師・きゅう師の追加)
- 個別機能訓練加算:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表10、留意事項通知(介護保険最新情報 Vol.934)
- 転倒の予防:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:高齢者版」(e-ヘルスネット)、消費者庁「高齢者の家庭内での転倒事故に注意しましょう!」(2026年9月)、国立長寿医療研究センター「転びやすくなる原因は?」
- 有料老人ホーム重要事項説明書(基準日 2026年9月1日):旗の台・自由が丘・尾山台(職員体制、機能訓練指導員の資格、介護保険の加算、共用施設、介護サービス等の一覧表)
- 各ホームのケアのページ(機能訓練、1日の流れ)/住まいのページ(機能訓練室の写真)


