
有料老人ホームの入居条件と入居までの流れ必要な書類・体験入居・退去のこと
有料老人ホームの入居条件は、法律で一律に決まっているものではなく、ホームごとに入居契約と重要事項説明書で定めています。よく決められている条件と、見学から入居までの流れ、そろえる書類、体験入居、そして退去(契約の終わり方)について、契約の前に確かめておきたいことを整理しました。最後に、東急ウェリナケア3ホームの場合をご紹介します。
1|入居条件として、よく決められていること
有料老人ホームは、老人福祉法にもとづく民間の住まいです。特養のように「原則として要介護3以上」といった入る人の基準が法律で決まっているわけではなく、どんな方が入居できるかは、ホームが入居契約と重要事項説明書で定めています。多くのホームで決められているのは、次のような条件です。
| 条件 | よくある決め方 | 見学で確かめたいこと |
|---|---|---|
| 年齢 | 「原則として満60歳以上」「満65歳以上」など、ホームごとに決める | 「原則として」の例外を相談できるか |
| 介護の必要度 | 自立の方から入れるホーム(混合型)と、要介護の方が対象のホーム(介護専用型)がある | いまの要介護度で入れるか。自立の方を受け入れるか |
| 医療 | 「常時の治療を必要としない方」などとし、個別に相談するホームが多い | 胃ろう、たんの吸引、インスリンなど、いま必要なケアに対応できるか |
| 認知症 | 受け入れたうえで、ほかの入居者との共同生活が難しい場合は相談、とするホームが多い | どのような状態なら、入居や生活を続けられるか |
| 立てる人 | 身元引受人や連帯保証人などを立てる | 頼める人がいない場合の扱い(3章) |
| 費用 | 入居時の費用と毎月の費用を払い続けられること | 年金や預貯金で、何年続けられるか |
| 共同生活 | ホームの規程を守り、ほかの入居者と共同生活を営めること | 暮らしの決まり(外出、飲酒、喫煙など) |
※ 介護付き有料老人ホームの「混合型」「介護専用型」の違いは、介護付き有料老人ホームとはでご説明しています。
入居している方の年齢や要介護度も、暮らしの雰囲気をつかむ手がかりになります。全国の調査では、介護付き有料老人ホームなど(特定施設)の入居者は、90歳以上が42.8%、85〜89歳が27.0%で、85歳以上がおよそ7割を占めています(2025年9〜10月の調査)。ホームごとの状況は、重要事項説明書の「入居者の状況」の欄に、年齢別・要介護度別の人数と平均年齢、直近1年間に退去した方の人数と理由まで書かれています。
医療と認知症の条件は、ホームの書き方が「個別に相談」となっていることが多く、書面だけでは判断できません。見学の前に、いまの状態(病名、飲んでいる薬、医療的なケア、夜間のようす)をメモにしておき、具体的に伝えて確かめてください。医療の確かめ方は医療ケアが必要な方の老人ホーム選びにまとめています。
2|見学から入居までの流れ
見学から入居までは、多くのホームで次のような流れになります。
| 段階 | すること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 1 相談・資料請求 | 電話やフォームで、空室・費用・入居条件を聞く | 入居したい時期と、急ぐ事情を伝える |
| 2 見学 | ホームを見て、説明を受ける。試食や体験入居の相談もできる | 重要事項説明書を、この段階で受け取る |
| 3 申込み | 申込書を出す。この段階ではまだ契約ではない | 申込金などがかかるか、取り消すときの扱い |
| 4 面談 | ホームの職員が、心身の状態やこれまでの暮らし方を聞く | 受けている医療・介護、飲んでいる薬を伝える |
| 5 健康診断 | ホームが指定する項目の健康診断を受け、診断書を出す | 診断書の様式と、検査の項目 |
| 6 入居の判定 | 面談と診断書をもとに、ホームが受け入れられるかを判断する | 結果が出るまでの日数 |
| 7 契約 | 重要事項の説明を受け、入居契約を結ぶ | 前払金の返還のしかたと、退去の条件 |
| 8 入居 | 入居時の費用を払い、引っ越す | 居室の状態を、職員と一緒に確かめておく |

国の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」では、重要事項説明書は入居の相談があったときに渡し、契約の前に十分な時間の余裕をもって、重要事項説明書と入居契約書の内容を説明することとされています。説明のあとは、説明した人と受けた人が署名します。契約の日になって初めて読む、ということのないよう、見学の段階で受け取り、家族と読んでおくと安心です。
全体にかかる期間は、空室の状況、健康診断の日程、書類の準備によって変わります。退院の日が決まっているなど急ぐ事情があるときは、最初の相談で伝えてください。いつごろ動きはじめるとよいかは、親を老人ホームに入れるタイミングでご説明しています。
3|そろえる書類と、立てる人
入居までに出す書類と、ホームから受け取る書類は、おおむね次のとおりです。
| 書類 | どんなものか |
|---|---|
| 入居申込書 | 申込みのときに出す。ホームの様式 |
| 健康診断書 | ホームが指定する項目について、医療機関で書いてもらう |
| 介護保険の証の写し | 要支援・要介護の認定を受けている方。被保険者証と負担割合証など |
| 重要事項説明書 | ホームが渡し、契約の前に説明する。説明を受けたら署名する |
| 入居契約書 | 契約のときに取り交わす。暮らしの決まりは管理規程に書かれていることが多い |
※ 必要な書類はホームによって違います。住民票や印鑑証明書などを求めるホームもあります。
身元引受人・連帯保証人・返還金受取人
多くのホームで、入居する方のほかに、契約にかかわる方を立てるよう求められます。呼び方はホームによって違いますが、役割は大きく次の3つです。1人が複数の役割を兼ねられるホームもあります。
| 役割 | 主にすること |
|---|---|
| 身元引受人 | 入院や退去のときの身柄の引き取り、亡くなったときの遺体や遺品の引き取り。本人の判断が難しくなったときに、代わって判断する役を担うこともある |
| 連帯保証人 | 入居する方が払えない費用を、入居する方と連帯して払う。個人が保証人になる場合は、保証する上限の額(極度額)を契約書に書くことが民法で決められている |
| 返還金受取人 | 入居する方が亡くなったときなどに、前払金の返還金を受け取る |
頼める家族がいない場合でも、成年後見制度や、身元保証を行う事業者の利用などで入居できることがあります。方法は東急ウェルネスの老人ホーム紹介サービス「住まいる」のコラム老人ホームの身元保証人がいないときにまとめていますので、早めにホームに相談してください。
4|体験入居で確かめたいこと
体験入居は、契約の前にホームに泊まり、暮らしを試すしくみです。国の指針では、すでに開設しているホームは、体験入居を希望する方に、契約の前に体験入居の機会を確保するよう求められています。期間や料金はホームごとに決めていて、重要事項説明書の「体験入居」の欄で確かめられます。
見学は昼間の1時間ほどですが、泊まってみると、朝の様子や夜の静けさ、食事の量や味つけ、入浴の流れなど、見学だけではわからないことが見えてきます。次の点を見ておくと、入居してからの暮らしを思い描きやすくなります。
- 夜。見回りの頻度、ナースコールを押したときの対応、夜の物音。
- 食事。量・やわらかさ・味つけ、食べる場所と時間、苦手なものへの対応。
- 入浴。お風呂の種類、入る曜日と時間帯、手伝ってもらえること。
- 職員。名前を呼んで声をかけてくれるか、頼みごとをしたときの対応。
- ほかの入居者。日中どこで過ごしているか、会話があるか。
- 家族。面会の場所と時間、ホームからの連絡のしかた。
体験の前に「いちばん不安なこと」を1つ決めておき、そこを重点的に見ると、短い期間でも判断しやすくなります。ショートステイを使って試すこともできます。介護保険のショートステイと、自費のショートステイの違いはショートステイの費用と期間にまとめています。
5|退去のこと(契約の終わり方)

有料老人ホームの契約が終わるのは、主に、入居している方が亡くなったとき、入居している方から解約するとき、ホームから契約を解除されるときです。どの場合も、条件と手続きは入居契約書と重要事項説明書に書かれています。
国民生活センターによると、有料老人ホームに関する相談は2024年度に834件(2025年3月末までの登録分)あり、内容は「解約」「契約書・書面」「説明不足」「返金」が上位です。退去のときに困らないよう、契約の前に次の点を確かめておきましょう。
入居している方から解約するとき
解約を申し出てから契約が終わるまでの期間(予告期間)は、入居契約書で決めています。長さはホームによって違います。国の指針は、この予告期間を使って、次に説明する前払金の返還の期間を事実上短くすることを認めていません。
ホームから契約を解除されるとき
国の指針は、ホームが契約を解除できる条件を「信頼関係を著しく害する場合に限るなど」、入居者の権利を不当に狭めないものにするよう求めています。費用の支払いが長く遅れたとき、ほかの入居者や職員に危害を及ぼすおそれがあり、通常の介護の方法では防げないとき、などが代表的な例です。解除の前に予告の期間を置く、弁明の機会を設ける、移り先を探すのに協力する、といった手続きを契約で定めているホームもあります。
また、介護が必要になったことを理由に居室を移る契約や、契約を解除する契約の場合は、医師の意見を聴くこと、本人または身元引受人等の同意を得ること、一定の観察期間を設けることを含む手続きを、契約書か管理規程で明らかにしておくことになっています。
長く入院したとき
入院が長引いたときの扱いも、ホームによって違います。入院中も月額の費用がかかるか、何か月入院すると契約の見直しになるかは、重要事項説明書の「入院時の契約の取扱い」の欄で確かめてください。
前払金の返還と、原状回復
前払金を払って入居した場合、入居から3か月以内に契約が終わったときは、住んだ日数分の家賃などを差し引いた額が返還されます(老人福祉法で定められた、いわゆる短期解約特例)。3か月を過ぎてからの退去では、想定居住期間のうち、まだ償却していない分が返還されますが、初期償却の分は戻りません。計算のしかたは有料老人ホームの前払金とはにまとめています。入居できる日より前に契約を解除した場合は、受け取ったお金を全額返還することとされています(東京都の指針では、入居の準備にかかった費用を差し引く場合は、そのことを入居契約書と重要事項説明書に書くこととしています)。
退去のときには、居室を元に戻す費用(原状回復)や、敷金の精算もあります。国民生活センターは、年月がたって古くなった部分や、ふつうに暮らして生じた汚れ・傷の修繕費は、一般の賃貸住宅と同じく原則として入居者の負担ではないと考えられる、としています(契約に特約があり、合意している場合はそれに従います)。入居の日に職員と一緒に居室の状態を確かめ、写真を残しておくと、退去のときに話し合いやすくなります。
6|契約の前に、重要事項説明書で見ておきたい欄
ここまでのことは、多くのホームの重要事項説明書で、次の欄に書かれています。契約の前に、家族と一緒に読んでおきたいところです。
- 入居に当たっての留意事項。年齢、要介護度、医療的なケア、認知症など、入居の条件。
- 身元引受人等の条件、義務等。立てる人の条件と役割。
- 体験入居。期間と料金、料金に含まれるもの。
- 入院時の契約の取扱い。入院中の費用と、契約の扱い。
- 事業者からの契約解除。解除の理由と、予告の期間などの手続き。
- 要介護時における居室の住み替え。居室を移る場合の判断の方法と、費用の変わり方。
- 前払金の返還金の算定方法と、短期解約。途中で退去したときに戻る額と、3か月以内の扱い。
重要事項説明書には、職員の体制や入居率、苦情の窓口なども書かれています。読み方は老人ホームの選び方・探し方でもご紹介しています。
東急ウェリナケアの3ホームの場合
東急ウェリナケアの旗の台・自由が丘・尾山台は、3ホームとも介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)です。入居の条件は、3ホームとも次のとおりです。
| 条件 | 3ホーム共通 |
|---|---|
| 年齢 | 原則として満65歳以上の方 |
| 要介護度 | 要介護認定の要支援・要介護の方、自立の方 |
| 医療的ケア | 医療機関などで常時の治療を要しない方(詳しくは個別にご相談ください) |
| 認知症 | 著しい自傷他害のおそれのない方(詳しくは個別にご相談ください) |
| その他 | ほかのご入居者との共同生活を営むことに支障のない方。入居契約に定めることを承諾し、運営の方針にご賛同いただける方 |
| 立てていただく方 | 身元引受人・連帯保証人・返還金受取人(同じ方が兼ねることもできます) |
※ 重要事項説明書(基準日 2026年10月1日)の「入居に当たっての留意事項」「身元引受人等の条件、義務等」の記載です。
ご入居者の平均年齢は、旗の台が90.1歳、自由が丘が91.2歳、尾山台が91.3歳です(重要事項説明書、基準日 2026年10月1日)。
ご見学から入居までは7つの段階です(入居までの流れと見学の見方)。入居申込書・健康診断書・重要事項説明書は、各ホームの概要ページの「ご入居の書類」からご覧いただけます(旗の台・自由が丘・尾山台)。ご契約は、ご本人と、身元引受人・連帯保証人・返還金受取人がご同席のうえで行い、入居日の前日までに、入居時に必要な費用をお振り込みいただきます。
旗の台と自由が丘では、前払金をお支払いいただくプラン(一時金方式)は、ご入居時に80歳以上の方が対象です。80歳未満の方は、家賃相当額を毎月お支払いいただくプランになります。費用のしくみは費用の考え方でご説明しています。
体験入居は、3ホームともご要望にお応えしています。日数や費用はホームとお部屋の状況によりますので、お気軽にお問い合わせください。
退去については、重要事項説明書で、ホームから契約を解除できる場合を、月額利用料などのお支払いが督促後も2か月以上遅れたとき、ほかのご入居者や職員の身体・財産に危害を及ぼし、またはその切迫したおそれがあって通常の介護の方法では防げないとき、などに限っています。解除するときは、90日の予告期間をおき、その前に弁明の機会を設け、移り先がない場合は確保に協力します。ご入院中も、前払金の償却と月額利用料はそれまでどおりです。前払金のうち、入居の期間にかかわらず返還しない部分(初期償却)は、旗の台と自由が丘が25%、尾山台は0%です。
ご見学やご相談は、お電話(旗の台 0120-068-109・自由が丘 0120-335-109・尾山台 0120-626-109。いずれも受付10:00〜17:30・無休)か、資料請求・見学予約のフォーム(旗の台・自由が丘・尾山台)から承ります。
出典と確認日
この記事の内容は、2026年10月13日に、次の資料で確認しました。制度や条件は変わることがあります。ご検討の際は、各ホームに最新の内容をご確認ください。
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」(最終改正 2024年12月6日。重要事項説明書の交付と説明、体験入居、契約解除の条件と手続き、入居前の解除)
- 東京都「東京都有料老人ホーム設置運営指導指針」(2025年4月1日施行)
- 老人福祉法・老人福祉法施行規則(前払金の返還。e-Gov 法令検索)/民法(個人根保証契約の極度額)
- 令和7年度 老人保健健康増進等事業「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究事業 報告書」(PwCコンサルティング合同会社、2026年3月。特定施設の入居者の年齢。特定施設は介護付有料老人ホームと、特定施設のサービス付き高齢者向け住宅の合計)
- 独立行政法人国民生活センター「有料老人ホームに関する消費生活相談の概要について」(厚生労働省の検討会資料、2025年4月28日)、見守り新鮮情報 第531号「有料老人ホームの退去時トラブル」(2025年12月18日)
- 有料老人ホーム重要事項説明書(基準日 2026年10月1日):旗の台・自由が丘・尾山台(入居に当たっての留意事項、身元引受人等の条件、入院時の契約の取扱い、事業者からの契約解除、入居者の状況、前払金)
- 各ホームの料金と入居までの流れのページ(旗の台・自由が丘は2026年10月1日時点、尾山台は2025年11月1日時点)/入居までの流れと見学の見方/よくあるご質問





